home > column 「御茶ノ水妄想研究所」 > 商売繁盛「えべっさん」って何者?
御茶ノ水妄想研究所
2009/02/22 ●商売繁盛「えべっさん」って何者?

不景気不景気と暗い話ばかり。。多分に心理的なものが大きいように思います。政治家の方は本当のことを言えば叩かれるので、逆に嘘でもいいからバーンと明るいビジョンを吹いてほしいもんですね。

心理的に弱くなると、手軽に頼れるのは、神様仏様。中でも商売繁盛の神様といえばえべっさん(戎っさん)です。

ebisu.jpg今まで深く考えたことはなかったけど。えべっさんとは何者?

まずは辞典から

えびす【恵(ヱ)比須・恵(ヱ)比寿・夷・戎・蛭子】
(「夷」と同語源だが、慣用で「恵比須」と書くことが多い)

Ⅰ 七福神の一。蛭子神とも、事代主命ともいう。風折烏帽子に狩衣、指貫(さしぬき)を着け、釣りざおで鯛を釣りあげる姿をし、商家の福の神として祭られることが多い。夷三郎。えびすがみ。
Ⅱ 
1 異郷から訪れて漁をもたらす神。漂着する神。漁民の信仰で、魚群を追う鯨、鮫の類や、漁期はじめに船主などが海から拾ってくる石、また、水死人などをいう。
 2 家の福を増す神。台所を守る神。農村の信仰で、この神は片目で、耳が聴こえず、左利きなどの特徴をもつ。

Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition)  Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)小学館 1988

漢字をみるとあまりいい感じはしませんね。

夷は中国で王化の及ばない未開人をさげすんで称したことば。特に東方の未開人の意ですし。蝦夷・戎は外国、未開の地。また、そこに住む人。蛮夷(ばんい)。戎狄(じゅうてき)です。征夷大将軍の夷ですね。ヨーロッパでいうところのローマに対するゲルマン人=barbarianです。
えべっさんは七福神のなかで唯一日本古来の神様らしいのですが、異境からやってくる。海岸に漂着した。水死人など・・イメージ悪すぎ!

atrantis.jpg絵ではとても日本人のようには見えないので、海外からやってきたんでしょうが、アトランティスから来た男のわけはなさそうです。どうみても酒ばっかり飲んで遊んでいる赤ら顔の東洋人です。とてもバサロで泳げそうにありません。仕事より釣りが好きで小舟で酒を飲みながら釣りをしてたら、流されて漂流、流れ着いたら日本だった。てな感じでしょう。

昔々、村の娘が朝早く海岸で海草をひろっていると、トドのような大きな動物のが打ち上げられているではありませんか?近寄ってみると、男のようです。手には妙な糸巻きのついた釣り竿を持っています。身長160センチ、体重は100kg超、おなかはでっぶり、顔もぽっちゃり、おなかには顔が書いてあります。娘は村人を呼んで村で介抱をし男は元気になりました。
男は助けてくれたお礼にと、村人に漁の方法を教えました。おかげで村人は魚には不自由することなくなり、朝市もたてて村も繁盛、男は福の神と称えられました。男は助けてくれた娘と結婚し、毎日釣りをして楽しく暮らしましたとさ。めでたしめでたし。

未来から来た「釣りバカ=浜ちゃん=西田敏行」のイメージですね。スマートでかっこいい人は福の神には似合いません。

tsuri.jpgとにかく明るく、楽天的なキャラ。ほっといても真面目で暗くなりがちな日本人には、あっけらかんな福の神が必要かも。


column 「御茶ノ水妄想研究所」 | archives(記事一覧)